学チカのポイント
就活の定番質問である「学生のとき力をいれたこと(学チカ)」では、「どんなことを書くと評価されるのかわからない」という声をよく聞きます。大学生の多くが、サークル活動やアルバイトの経験談になりがちなので、差別化が難しいという心配です。また、コロナ禍の影響で、サークルやアルバイトも、それほど参加できなかった学生も多くいます。
学チカの一般的なネタとしては、部活動・サークル活動、アルバイト、ボランティア活動、ゼミでの勉強、資格取得、海外経験、インターンシップなどが挙げられます。大学生が限られた4年間でできる活動は、他の学生と似てしまって当然です。企業は「学生が何をしたか」は、それほど気にしません。それ以上に「その活動から何を学んだか」「それを社会人としてどのように活かせるか」を知りたいのです。
また、業界や企業によって、求められる人材像は異なります。例えば、営業や販売の仕事では「目標に向かって努力した経験」や「お客さんとのコミュニケーションを高めた経験」があれば、社会人になってもそれを活かせるでしょう。IT系やコンサルタントの仕事では「研究やゼミで物事を深く考えた経験」や「新しいことに好奇心をもってチャレンジした経験」が活かせると考えられます。
同じ経験でも、どの側面をとらえるかで、いろいろな表現ができます。自己PRと学チカを、例えば、サークル活動のような同じネタで書き分けることも可能です。自己PRは「個人の努力や実行力」から導かれる強みに焦点を当て、学チカは「チームで工夫して成果を挙げたこと」に焦点を当てることで、まったく違う側面をアピールできます。
学チカの書き方の事例
居酒屋のアルバイトで学んだことを、学チカに表現する事例を示します。
- 笑顔で接客することできるようになり、世代が異なる人たちとのコミュニケーション力とビジネスマナーを身につけた
- 忙しい時間帯に、ホールとキッチンとレジの仕事を手際よくこなすことができるようになった(マルチタスク力を身につけた)。また、仕事の効率性を考える習慣ができた
- 店長、社員、アルバイトの人たちと協力し合うことで、チームワークや仕事への責任感が身についた
- 店長からの信頼を得て、ホールやキッチンに加え、レジ打ち、在庫管理、材料発注も一部任されるようになった
- 先輩として、アルバイトの後輩にアドバイスや指導を行った。相手の理解度によって、わかりやすい教え方を工夫した
- 酔ったお客さんに文句を言われても、相手の話をまず傾聴し、誠意を持って対応することで、納得していただくクレーム処理がうまくなった
- 古い体質の職場で、厳しい言葉で叱られることが多かったが、ストレスに強くなった(ストレス耐性が身についた)
いかがでしょう。「これなら書けそうだ」と思いませんか。居酒屋のアルバイトでも、このように社会に出てから役立つ良い経験をしています。すごい経験をしていなくても、自分の具体的なエピソードを書き、「社会人としての基礎となるスキルを身につけた」「これを貴社でこのように活かしたい」ことを伝えられればよいのです。