就活では、エントリーシートでも面接でも、志望理由・志望動機が最も大切です。私はいつも、次項のイメージ図のように、企業研究をしっかり行い、志望理由を7個以上考え、特に大事な2-3個の理由をエントリーシートに書くことを勧めています。まず良くない例を説明します。
学生が就活初期によくやる間違い
「自分が成長できそうだから、この会社を志望します」という志望理由をよく目にします。私が企業の採用担当だったら、このフレーズを読んだ瞬間に落とします。この人は、「学生と社会人の違い」を理解していない、つまり、社会人になる気持ちの準備ができていないと判断するからです。
大学生は、オカネを払う立場なので、自分を成長させてもらう場(大学)のお客様です。一方、社会人は、労働を提供して、その対価としてオカネをもらうので、立場が逆です。自分の知識、経験を活かして「会社に貢献したい」と伝えるべきなのです。
もちろん、仕事をした結果、自分が成長できることはあります。特に若いうちは、どんな仕事をしても初めてなので、成長できるはずです。自己成長意欲や向上心があるのは、よいことですが、この「学生と社会人の基本的な違い」を理解していないとESで落ちますし、面接でもうまくいきません。
同様に、「給料が高いから」「残業が少ないから」「転勤がなさそうだから」「ワークライフバランスが良いから」などの自分中心の志望理由は、本音ではそう考えていたとしても、ESに書くのはNGです。
良くない志望理由の特徴
- 数多くの企業の中から「貴社に入りたい」理由になっていない。多くの会社に当てはまる理由になっている。例えば、お客様に笑顔を届けたい、社会に貢献したい、など。
- 表面的な理由しか書いていない。例えば、説明会で説明してくれた人がイキイキしていた、この製品が昔から好き、TVのコマーシャルが良い、など。
- 自分都合の理由しか無い。給与、地域、土日休み、有給休暇、育児休暇、研修制度、ワークライフバランスなど。
ただし③については、書き方を工夫すれば、大丈夫なケースもあります。「育児休暇がある」だと自分都合で△ですが、「(育休制度が充実していて)女性が活躍できそう」は○です。また、「研修制度がしっかりしている」は△ですが、「(研修を通じて)○○ができるようになり、会社に早く貢献できそう」は○です。
新卒採用は、企業が3億円の投資をするのと同じです。「なぜその会社か」の本気度が問われるのです。