<前回からの続きです>
③年功序列ではない実力主義である
日本企業の多くは、まだ年功序列の人事制度が残っています。多くのグローバル企業は、性別、国籍はもちろん、年齢による差別はありません。実力主義なので、若くても能力があれば、重要な仕事を任され、成長できる実感があります。
イメージで言うと、プロスポーツ選手に似ています。年齢に関係なく、試合で活躍し続ける人は大事にされ、年俸も上がっていきます。スポーツ選手ほど、極端に年俸に差が出ることも、すぐにクビになることもありませんが、基本的な考え方は同じです。
グローバル企業で活躍できるのは、成長意欲があり、仕事の結果を残し続けられる人です。もし上手くいかないことがあっても、次は何とかしようと前向きに考えられることも大切です。
④ワークライフバランスが良い
グローバル企業は、休暇がとりやすく、残業も少ないので、日本企業よりワークライフバランスはとても良いことが多いです。欧米では、休暇は労働者の当然の権利なので、有給休暇は取りやすいです。私も妻も、外資系企業では毎年の有給休暇は、すべて取得していました。
また、グローバル企業の多くは、「ジョブ型雇用」(ある仕事をできる人、やりたい人を雇用する)なので、各自の仕事の役割が明確です。日本企業の多くは「メンバーシップ型雇用」(ある企業のメンバーになり、長期間働きそうな人を雇用する)なので、各自の仕事は必ずしも明確ではありません。日本企業では、もしグループ全体で仕事が忙しければ、自分の仕事以外もお互いに助け合うのが一般的なので、残業が多くなりがちです。
ジョブ型雇用でも、グループで助け合うことはありますが、個人の仕事がはっきりしているので、自分のペースで仕事ができることが多いです。「今日は早く帰る」ことに、誰も文句は言いません。むしろ残業をするのは、「効率が悪い、能力が低い」と思われる面もあります。
⑤給料が高いことが多い
給与の金額は、業界・職種・役割によって異なりますが、一般的にグローバル企業は、同じ仕事の日本企業と比べて、高めに設定されていることが多いです。日本企業より、国内では知名度が低いので、少し高い給与にしないと優秀な人材が採用できない面があります。また、世界中の同じ仕事の人は、同様の給与レベルにそろえるため、日本人の給与も欧米並みに設定されることも多いためです。
私の経験的な感覚では、グローバル企業で英語を使うポジションでは、20-50%くらい、日本企業より給与が高くなる傾向があると思います。年功序列ではないので、若いうちは、もっと差があるかもしれません。
私は東京大学の理系学生にキャリア支援をしていました。優秀な学生たちに人気があるコンサルティング企業(マッキンゼー、アクセンチュアなど)、IT企業(グーグル、アマゾンなど)、AIベンチャー、金融系企業などでは、20代でも1000万円を超える年俸を出す企業も多くなっています。給与だけで就職先を決めることはお勧めしませんが、日本の大手企業は年功序列の給与体系がほとんどなので、学生としては迷うところです。