最近は、家事や育児に積極的な男性も増えてきました。ある調査によると、「夫も家事を分担する方が良いと思うか?」という質問に対し、夫も82%が「YES(自分も家事をする方がよい)」と回答しています。妻は85%が「YES(夫に家事をしてもらいたい)」です。
これは2018年の回答で、同じ質問に対し、30年前の1988年には、夫のYESはとても低く38%、妻のYESも現在より低く60%でした。この調査では、育児についても質問していますが、同様の傾向でした。1988年頃は、まだ夫婦ともに「家事や育児は妻の仕事」という意識が高かったことがわかります。
一方、同じ調査で、「夫が家事や育児を実際にやっているか?」という質問については、「食事のしたく」14%、「食事の後片付け」20%、「洗たく」11%、「部屋のそうじ」10%と、非常に低い数字でした。妻はいずれも90%以上です。つまり、「夫は家事や育児をやるつもりはあるが、実際にはやっていない」ということです。世の中の女性たちの「やるつもりがあるなら、やれよ」という怒りの声が聞こえてきそうです。出所:博報堂生活総合研究所による1988年から2018年までの調査(20代から50代までの夫630人、妻630人の回答)
少し男性の肩をもつと、中学校の家庭科の授業が男女共学になったのは、約30年前です。つまり、大学生の親世代である40代後半以上の男性は、中学や高校で、料理・裁縫・洗たくなどを習っていないのです。家事の基本スキルが不足していることも、男性の家事参加が低い原因と言われています。私自身も、今では料理をそれなりにやれるようになりましたが、小学校の家庭科でハムエッグを作ったあとは、結婚するまで料理をする機会がありませんでした。
ここで、面白い調査結果をご紹介します。この表は、1週間に男性と女性がそれぞれ何時間、家事をしているか(棒グラフ、左軸)と、人生満足度(折れ線グラフ、右軸)を国別に示したものです。デンマークでは男性も22時間も家事を行います。日本はわずか7時間です。因みに、日本より男性の家事時間が少ないのは、韓国だけです。日本と韓国は、儒教の影響で「昔ながらの役割分担(男は仕事、女は家庭)」が残っているようです。
この調査によると、全体の傾向として、男性が家事を多く行う国は、人生満足度も高くなるそうです。デンマーク、オーストラリア、ドイツ、ノルウェー、カナダ、フィンランド、スウェーデンなどが該当します。
大学生世代の男性は、中学や高校の家庭科の授業があったでしょうし、自分も家事や育児をやろうと思っている人は多いと思います。ぜひ、ワークライフバランスを意識して、仕事を効率的にこなし、家事や育児に積極的に参加する男性に増えてほしいと思います。その結果として、人生満足度も上がるのではないでしょうか。
大学生世代の男性は、中学や高校の家庭科の授業があったでしょうし、自分も家事や育児をやろうと思っている人は多いと思います。ぜひ、ワークライフバランスを意識して、仕事を効率的にこなし、家事や育児に積極的に参加する男性に増えてほしいと思います。その結果として、人生満足度も上がるのではないでしょうか。