お勧めの3つめは、「高齢化社会に対応する業界」です。ここには、医療・介護、高齢者向けサービスが含まれます。いずれも社会的ニーズが高く、成長性や将来性のある領域です。やりがいを感じられる仕事も多いでしょう。
日本の人口は、2019年には1億2617万人で、65歳以上は3589万人(約28%)です。国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によると、少子高齢化が進展し、日本の人口は2053年には1億人を割り、2065年には8808万人になる見込みです。2065年の65歳以上は3380万人、約38%になります。
したがって、高齢者を対象とするビジネスは成長していきます。逆に、子どもや若者を対象とするビジネスは、国内市場が縮小していきます。学校、学習塾、子ども用品、おもちゃなどは、わかりやすい例です。飲食店、小売業、食品や日用品などの消費財も、海外展開ができない企業は、淘汰されていくでしょう。
医療・介護系業界とは
医療系の仕事というと、医師、歯科医、看護師、薬剤師などの専門職が浮かびますが、ここでは大学の専門学部を卒業しなくてもよい仕事の選択肢を紹介します。医療の場は、病院やクリニック、歯科クリニックなどですが、そこには多くの管理・事務系の仕事があります。
病院にモノやサービスを提供するメーカーには、医薬品、医療機器、診断薬、医療材料などがあります。メーカーと病院の間をつなぐ医療系専門商社も大きな業界です。医療ITサービスも、医師向け情報サイト、電子カルテ、オンライン診療等、多くの企業が成長しています。
介護系の仕事では、介護施設の介護士・ケアマネジャーはもちろん、管理・事務系の仕事ニーズは高まっています。介護用品、訪問介護、デイケアサービスに関する仕事も増加していきます。医療・介護系の業界は、国が医療保険や介護保険を抑制するため、経営的には厳しくなるケースがあるかもしれませんが、「誰かの役に立つ」というやりがいを感じられる仕事だと思います。
高齢者向けサービスとは
ここには、高齢者用住宅、住宅リフォーム、食事宅配、葬儀、財産管理等、高齢者向けの新しいサービスが含まれます。
ユニークなサービスをいくつか紹介します。株式会社エータイは、永代供養のコンサルティング会社です。先祖のお墓を地方から引っ越ししたり、永代供養墓に集約したりという煩雑な業務を代行する会社で、設立15年で年商15億円まで成長しています。
高齢者が認知症になる前に家族信託により財産管理をする会社も増えています。また、高齢者の健康管理のためのアプリでは、「ダイエットのあすけん」「血圧ノート」「Welby血糖値ノート」などが有名です。今後も、新サービスが次々と開発されていくことでしょう。