お勧めの4つめは、「高度なコミュニケーションが必要な業界・職種」です。テクノロジーの進歩で、多くの仕事が機械・ロボット・人工知能(AI)に代替されていくと言われています。機械に代替されにくい仕事は、「人間しかできない、複雑で感情豊かなコミュニケーションが求められる仕事」です。(機械に代替される可能性の高い仕事については、別項目で説明します。)
代表的な仕事は、「高付加価値製品の提案営業」です。製品がシンプルで、比較的安価な製品は、ヒトから購入する必要はありません。日用品、食品、書籍、衣類などは、無人店舗のセルフレジやネット販売がますます増えていくでしょう。
一方、複雑な製品サービスについては、ヒトによる丁寧な説明や提案がなければ、購入には至りません。お客様の問題を解決していくソリューション(問題解決型)営業と呼ぶこともあります。家やマンションなどの不動産、生命保険や投融資などの金融商品、自動車、高級ブランド品などがこれに当たります。
転職市場では、高付加価値製品を販売できる営業パーソンは引く手あまたです。私は以前、数百万円以上の高額な医療機器を病院に販売する企業に勤務し、中途入社の営業社員を採用していました。そこでは、医療系の経験がなくても、生命保険や自動車の営業で成功していた人は、医療機器の営業でも活躍できていました。どの業界でも通用する提案営業スキルが身についていたからです。
提案営業以外では、コンサルティング、カウンセリング的なサービスも、機械に代替されにくい仕事です。企業経営のコンサルタント、人材教育の研修講師、人材紹介サービスのキャリアアドバイザー、美容師・理容師、ネイリスト、スポーツジムの個別トレーナー、個別指導塾の先生、投融資相談アドバイザーなどが該当します。
これらの職種は、「高度なコミュニケーション力」以外に、「何らかの専門スキル」が求められます。多くの場合、専門的な勉強をする必要があります。わかりやすいのは、資格が必要な職種です。例えば、美容師・理容師は、専門の学校で資格を取る必要があります。専門のスキルに加えて、お客さんと上手なコミュニケーションができると、人気のある美容師・理容師になることができます。
経営コンサルタントには資格はありませんが、論理的思考力、分析力、ビジネスの基礎知識などを身につけておく必要があります。スポーツジムのトレーナーも、スポーツ経験や身体に関連する勉強が必要になるでしょう。