人生100年時代は、10-15年ごとに時代に合った仕事を主体的に探していくことになります。既存の企業だけではなく、ベンチャー企業や起業も将来のオプションになるかもしれません。また、仕事をしながら、副業・NPOなどの社会貢献・地域活動をして次のキャリアのヒントを得ることも一般的になります。日本政府も、副業や週休3日勤務を推進しようとしています。本項からは、「社会の変化と新しい働き方」について説明します。
ベンチャー企業とは、新しい製品・サービスや事業を展開する企業の総称です。特に「資本金○円以下」や「創業△年以内」などの明確な定義はありません。「中小企業」との区別がしにくいですが、代表的なベンチャー企業の特徴は「成長過程にある」と「新しい事業・サービスを展開している」の2点です。
次のような志向の人は、ベンチャー企業に向いていると言えるかもしれません。
- 新しいことに挑戦したい
- 早く成長したい
- 仕事に全力で取り組みたい
- 落ち込みにくい
- いつか起業、独立したいと考えている
一般的に、ベンチャー企業は企業規模が小さいので即戦力の中途採用が中心です。新卒採用は少ないので、知り合いがいるなどのご縁がないと難しいかもしれません。でも、社会に出てから、3年後以降の選択肢としては、大いにあり得るかもしれません。
ベンチャー企業は、企業ライフサイクル(前述)の①導入期、または②成長期のステージにあります。新しい製品・サービスを開発・普及しようとしていますので、会社が成長していて活気があることが多いです。
ベンチャー企業の特徴を、既存の中小・大企業と比較してみましょう。最初の2つの項目、「安定性」と「福利厚生の充実度」では、ベンチャー企業は既存企業に劣ります。まだ新しく小さい企業なので、当然と言えます。
3つめの「裁量の大きさ」では、既存企業に大きく勝ります。ベンチャーは少人数で経験者も少ないので、自分の裁量で仕事を進められることが多いです。新規事業に手探りで挑戦する経験は、忙しいかもしれませんが、仕事は楽しく、自分が成長できることが多いものです。
4つめの「昇進のしやすさ」とは、ベンチャーでは自分より経験の長い人、年上の人が少ないため、仕事で認められれば、リーダーやマネジャー、さらには部長や役員といった役職に就きやすくなります。給与も上がっていくでしょう。管理職として部下をもつ経験を若い時期からできることも、既存企業より魅力的な点です。
5つめの「給料」については、ベンチャーでは基本給は低めから始まることが多いです。しかし、企業が成長すれば、給与水準も上がっていき、管理職に昇進すれば、若い時期に既存企業より給与が高くなることも多いでしょう。また、自社株をもらえて株式が上場したときに売却できれば(ストックオプションといいます)、大きな収入になることもあります。
このように、ベンチャー企業は安定性を求める人には向きませんが、新しいことにチャレンジして大きく成長したい人のオプションとしては、面白いと思います。