どうしたら「自分に適した仕事」を探せるのでしょうか?それには、次の3つの問いを考えて、できるだけ重なり合う部分を探すとよいと言われます。
1つめは、「自分にできることは何か」という、能力や才能に関する問いです。わかりやすい例としては、野球をしている学生が、プロ野球選手になれるかどうかは、ある程度、見極めができることが想像できるでしょう。
しかしスポーツ以外については、若い皆さんは、まだこれから勉強し、さまざまな経験をして、能力を大いに伸ばせるはずです。「自分がうまくできることは何か」「誰かからほめられたことは何か」を考えてみましょう。自分の能力や才能を過小評価する必要はありません。「努力すれば可能になること」は、自分が考える以上にたくさんあります。
2つめは、「自分は何がやりたいのか」「意味を感じるか」という、動機づけや価値観に関する問いです。「自分がワクワクすることは何か」「自分が人生で大切にしたいことは何か」を考えてみましょう。まだ一つの方向性に絞れない人も多いでしょう。現時点では、興味や好奇心は、いろいろあってよいのです。
そして3つめは、「社会が求めていることは何か」という、仕事のニーズに関する問いです。就職については、仕事が無いと応募できません。時代に合った仕事のニーズがあるかどうかは、意外に重要です。例えば、私の大学での専門は昆虫でした。昆虫は好きでしたが、就職活動のとき、昆虫に関する仕事はほとんど無いことに気がつきました。
この3つが重なった部分が、その人に適した仕事であると言われます。ただし、これが明確ではない人も多いと思います。あとで軌道修正してもよいので、だいたいの方向性を決めて、歩き始めてみましょう。
『世界に一つだけの花』という大ヒット曲があります。この曲には「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」「一人ひとり違う種を持つ その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい」という印象的な歌詞があります。つまり、他の人は気にしないで、「一人ひとりの個性を活かし、自分だけの花を咲かせよう」というメッセージが人々の共感を呼んだのだと思います。3つの問いの答えが重なり合った部分が、自分だけのオンリーワンの花なのです。
キャリアデザインとは、この3つの問いを生涯にわたって、自問自答していくことです。社会人になった後に、「自分に適した仕事」が変化していっても構わないのです。
最後にワークです。3つの問いについて、自分の考えをメモしてみましょう。