2016年に、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏らが著わした、『ライフシフト 100年時代の人生戦略』が出版されました。この本は、日本だけでも30万部を超えるベストセラーになり、「人生100年時代」はキャリアを考えるキーワードになりました。
例えば、2017年9月から、首相官邸が「人生100年時代構想会議」を主導し、リンダ・グラットン教授もメンバーに名前を連ねています。厚生労働省では、この会議の中間報告として、2018年6月に「人づくり革命 基本構想」を発表しています。
<厚生労働省ホームページ 「人生100年時代について」より抜粋、下線は筆者>
■ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えている。
■100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、更には社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が重要である。
■人生100年時代に、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要な課題である。
このように、「人生が100年続く前提で考える」ことは、国家の政策のベースになっています。個人としても、自分の人生は、これまで想定されていたよりも、ずっと長く継続することを前提に考えていかなければなりません。