私が大学生向けのキャリア授業でよく話すことを書いていきます。
就職活動はパートナー探しと同じ
私は大学生に、「就職活動は、付き合う彼氏・彼女を探すのと同じ」(同性が好きな人もいるかもしれないので、「パートナー」と表現します)と話しています。大学生は就活を、入学試験のような「合格・不合格」でとらえがちです。しかし就活は、学生も企業も、お互いに良い相手を探し合い、出会う機会です。入試のように一方が能力を評価して合否を決めるのではなく、両者が相手を評価し合う「マッチングの場」、言い換えると、相性診断のようなものです。
就活が男女の出会いに似ている点は、いくつかあります。まず、付き合う相手に出会うためには、自分が動かないといけません。教室で気になる人に声をかけたり、サークルに入ったり、出会い系アプリに登録したりしないと出会わないのと同じです。
また、そもそも世の中にはどのようなタイプのパートナー候補がいるのかを知ることが必要です。その中で、自分の好きなタイプがわかっていないと、お付き合いできません。また、すべてのパートナー候補に会ってから決める訳でもありません。何度か会ってみて、お互いが良いと思えばお付き合いできます。つまり、多くのパートナー候補に出会い、好きなタイプを明確にするために、インターンシップや説明会に参加すると思えばよいのです。
一方、就活がパートナー探しとは違う点もいくつかあります。パートナーの場合、2人以上を同時に好きになると問題ですが、就活の場合は、同時に何人(何社)を好きになっても構いません。なぜなら、相手企業も多くの学生を同時に好きになるからです。また、卒業という期限があり、それまでにとりあえず1人、付き合う相手を決めないといけない点も違います。
就職が人生の大きな転機であることは確かですが、「一生の伴侶を決めなければ」と考えると、決断しにくくなります。私が「とりあえず3年くらい付き合う相手を決めるつもりで、イヤならそこで相手を変えてもいいんだよ」と話すと、前向きな気持ちで就活に取り組める学生が多くなります。