偶然の出来事を思い出し、将来の可能性を考えるワークをやってみよう!

前項で、「計画的偶発性理論」について説明しました。次に、この理論に基づき、これまでの出来事を思い出し、将来のキャリアデザインにつなげるワークをやってみましょう。これは、『キャリア・コンストラクションワークブック』(安達智子、下村英雄編著)からの抜粋引用です。

まず、偶然の出来事を思い出すワークです。

質問1:これまでの人生で印象に残る偶然の出来事を3つ思い出してみましょう。

質問2:その出来事の前後に、自分がとった行動を思い出してみましょう。

私の場合、例えば、小学校5年生の途中で、親の転勤のため、茨城県から東京都に引っ越したことが挙げられます。新しい学校で早く友人を作るために、茨城弁を笑われながらも、積極的に周囲に話しかけたことを思い出します。転校は、当時の私にとって、つらい経験でしたが、新しい環境への順応性が身に着けられたと思います。

また、高校でソフトテニス部に入ったことも印象深い出来事です。いくつかの部活の中で、たまたま先輩たちの雰囲気が気に入ったため、初心者にも関わらず、ソフトテニスを始めました。大学でもその先輩方に誘われてソフトテニスを続けました。テニスからは、チームワーク、努力することの大切さ、試合に負ける悔しさなど、多くのことを学びました。

皆さんも、偶然の出来事とその前後の自分の行動を思い出すことで、自分自身を振り返ることができますので、考えてみてください。

2つめは、将来の可能性を考えるワークです。偶然の出来事の多くは、人との出会いです。自分の考え方次第で、いろいろな人に出会える可能性があることを、改めて考えてみましょう。

質問3:将来、あなたが進みたいと考えている分野に進むには、どんな集団に入ってどんな人たちと接したら有利になると思いますか?

質問4:あなたがその人たちと接するには、どんな方法がありそうですか?いくつかの可能性を考えてみましょう。

今は、オンラインを含めると、世界中の人と簡単につながれる時代です。自分が興味あること、将来やってみたいことのために、知人を紹介してもらったり、勉強会に参加したり、研修を受けたり、資格を取得したり、SNSのサークルに入ったりといった方法が考えられます。

私は55歳のとき、キャリアコンサルタントという仕事が国家資格になったことを知りました。資格をとるための夜間コースに通い、仲間ができました。資格を取った後は、キャリアコンサルタントの勉強会にいくつか参加し、そのつながりでハローワークや大学でのキャリア支援の仕事を探すことができました。また、昔の会社の知人の紹介でキャリアの本を出版することができ、別の知人とのSNSを通じて大学講師の仕事を得ました。積極的にネットワーキングすると、良い出会いがあることを実感しました。

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