自己分析の方法の2つめとして、自己理解を深めるためのフレームワークである「ジョハリの窓」を紹介します。
「ジョハリの窓」とは
下図は、アメリカの心理学者ジョー・ルフトとハリー・イングラムが発表した「対人関係における自己理解のモデル」です。この二人のファーストネーム(ジョーとハリー)から、「ジョハリの窓」と呼ばれます。
ジョハリの窓は、4つの窓(象限)からできています。「①開放の窓」(自分も相手・他人も知っている領域)、「②盲点の窓」(自分は気づいていないが、相手・他人は知っている領域)、「③秘密の窓」(自分は知っているが、相手・他人は知らない領域)、「④未知の窓」(自分も相手・他人も知らない領域)の4つです。
「開放の窓」を広げよう
この中で「①開放の窓」が広がって、「④未知の窓」が小さくなることで、自己理解が進み、人間として成長していくと言われます。例えば、自分について、周囲の人からフィードバックをもらうことで、「①開放の窓」が広がり、「②盲点の窓」が小さくなっていきます。
身近な人、例えば、親、きょうだい、親しい友人、サークルの先輩、アルバイト先の店長などに「自分がどんなヒトに見えているか」を聞いてみることで、自分では気づいていない「特徴や強み」を認識できるかもしれません。
例えば、自分が「内気で、初対面の人とのコミュニケーションは苦手だ」と考えていたとしても、友人やバイト先の同僚からは、「いつも笑顔で話しているから、初対面の人が苦手なんて気がつかなかった」「営業とか接客の仕事もあなたならできると思うよ」と言われて、自信を持つようなこともあり得ます。あるいは、親に「〇〇ちゃんは、小学生の頃、××になりたいと言ってたじゃない。チャレンジしてみたら?」と言われて、忘れていた夢を思い出すようなこともあるかもしれません。
もう一つは、「②秘密の窓」を小さくする方向です。これには、自分が心の中に秘めていることを、自分から周囲に話していく(自己開示する)機会をもつことです。就職に関して言えば、「自分はこういう企業に興味がある」とか「将来はこんな仕事をしてみたい」と自己開示すると、周囲からアドバイスをもらいやすくなります。
例えば、周囲の人たちに「将来は人事部の仕事がしたい」と話すと、誰かが「営業で就職して、今は人事の仕事をしている先輩を知っているよ。一度、話を聞いてみたら?」と紹介してくれるかもしれません。
誰でも、まだ自分でも気づいていない強みや可能性がたくさんあります。周囲の人にフィードバックをもらったり、自分から自己開示をしたりすることで、「①開放の窓」が広がり、自己理解が深くなるのです。