エントリーシートのツボ(8)「志望理由」は7個以上考え、特に大事な2-3個を書く!

良い志望理由とは

まずチャートの上の部分は、「企業理念」や「戦略的な方向性」です。どの企業でも、ホームページに企業のミッション、ビジョン、ありたい姿などが書いてあります。社長のコメントや中期経営計画として公表している場合もあります。企業説明会でも、この部分はきちんと説明するはずです。それぞれの企業は、競合他社が数多くある中で、「当社の理念や方向性」に共感してくれた学生に、入社してもらいたいのです。

良い例としては、

  • 企業理念や社長コメントの“○○”の部分に共感した
  • 企業説明会で、経営陣が“将来の目指す姿”を熱く語ってくれたことに感動した
  • 中期戦略の“△△(海外展開、新規事業領域など)”に関心があり、自分もぜひ貢献したいと思ったといった表現があります。

次に2つ目の部分は、「企業の特徴的な製品・サービス」です。どの企業でも、強みであり、社員が誇りにしている製品やサービスの領域があります。企業は、自社の製品・サービスに強い興味・関心をもつ学生をほしいのです。

良い例としては、

  • 貴社製品“○○の△△の点”が好きなので、自分もその普及に関わりたい
  • 貴社サービスを使ってみたら、こういう気づきがあり、成長性を感じた
  • 貴社製品を競合他社と比べてみたら、「この点」が素晴らしいと感じた
  • 貴社店舗を5カ所訪問してみたら、立地条件により工夫されていて、成功の秘訣を垣間見ることができた

などがあります。

3つめの部分は、「企業の制度、ヒト、組織、その他」です。上の2つに比べれば、重要ではありません。ここには、給与、勤務地、有給休暇、残業時間、産休・育休、社風、転勤の有無、女性の働きやすさ、ワークライフバランスなどが含まれます。学生にとって、関心があってわかりやすいため、志望理由がこの領域ばかりになる人もいます。企業から見ると、そういう人は、当社への関心が低いように見えるので、要注意です。

良い例としては、

  • 貴社の支店3カ所に行ってみたら、若手社員がイキイキと活躍していた

というのは、アリでしょう。いずれにしても、勤務条件や制度面については、志望理由に入れることは、あまりおススメしません。

体験的エピソードをつくる!

ホームページをよく見ておくのは当然として、自分で体験したエピソードを加えられると志望理由に説得力が増します。

まず、会社説明会、インターンシップ、OB訪問などは基本です。これらを通じて、自分が見聞きしたこと、感じたことを整理します。特に「その仕事の面白さややりがい」を聞いて、それが志望理由の一つになると、ベストでしょう。

また、消費者として訪問できる業界であれば、忙しくなさそうな時間帯に訪問して観察する、できればそこで社員に話を聞くとよいでしょう。ホテル、不動産、旅行、ブライダル、アパレル、エンタメなどがこの領域です。

ホテルチェーンであれば、複数のロビーを訪問し、立地条件によって客層が違い、サービス内容が違うことを体感しましょう。建売り住宅であれば、住宅展示場に行き、複数の会社の営業マンに話を聞いてみましょう。

お菓子の会社に応募するのであれば、その会社の主なお菓子を全部食べてみてください。次には、競合の会社のお菓子も食べ比べてみましょう。その経験があれば「貴社のお菓子のこういう点が好き」というように、自分の言葉で語れるようになるはずです。同様に、電気製品メーカーであれば、家電量販店で触ってみる、持っている人に借りて使ってみるといった努力をすることで、他の人と差別化できるのです。

関連記事

  1. 近未来の日本(2)「Society5.0」で、仕事はどう変わるのか?

  2. 企業の寿命は30年(1)変化の激しいVUCAの時代

  3. 新しい働き方(5)副業の解禁

  4. エントリーシートのツボ(3)書類で大半が落とされるのが現実!

  5. エントリーシートのツボ(6)「学生のとき力をいれたこと(学チカ)」のインパクトを高めるには?

  6. ポッドキャスト『2030年のキャリア戦略』第9回 Society5.0 近未来の日本社会はどうなるのか?(2023年3月30日配信)