エントリーシートのツボ(3)書類で大半が落とされるのが現実!

新卒採用をする企業は、まずSPIなどの適性検査とエントリーシート(ES)で、面接が可能な人数まで絞り込みます。人気のある業界・企業では、採用人数の数十倍以上の応募がありますので、SPIで足切りをして、ESの内容で大半は「ご縁がない」ことになります。

企業にもよりますが、応募者のうち、面接に呼ばれるのは、20―30%程度ではないでしょうか。したがって、周到なESの準備は、とても大切なのです。

例えば、私がある医療機器企業に勤務していた頃、新卒20名の募集に対し、約2000名のエントリーがありました。SPIとESで絞り込み、1次面接に呼んだのは300名、全体の15%でした。因みに、2次面接には100名、最終の役員面接に40名を呼んで、最終的に20名が入社しました。このとき、私は役員として10名の最終面接を担当しましたが、人事部に「この10名から5名を選んでください」と言われ、皆さんが優秀なので、とても悩んだことがあります。採用する企業側もたいへんです。

さて、ES作成のコツですが、企業の人事担当は忙しいので、1人のESは30秒程度しか読みません。わかりやすい文章で、自己PRが上手にできているESは、通過する確率が上がります。ESでは、「自分の強み」、「学生のとき、力を入れたこと(学チカ)」、「志望理由(なぜその業界・その企業なのか)」が、大事な項目のトップ3です。特にこの3項目は考え抜いて書きましょう。

ESは、面接に呼んでもらうための書類で、あなたの「製品カタログ」のようなものです。「この人に会ってみたい」と思わせないといけません。ウソではない範囲で、多少背伸びをして書いてよいのです。日本人は謙虚なので、多くの学生が、最初に自分で書いたESドラフトは、とても遠慮がちになります。

そこで、私はよく学生に「ESは映画のチラシと同じ」と話します。映画のチラシでは、「全米が泣いた」「〇〇監督、生涯最高の作品」「史上最高の〇〇サスペンス」といったインパクトの強い表現があります。チラシは、「ホントかな?」と思いながらも、映画を見てもらうためのツールだからです。ESも、映画ほど極端な表現は必要ありませんが、考え方は同じです。自己PRを遠慮することはありません。

次の項目で、具体的にESを書くコツを説明します。

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