仕事のやりがいとは何か:『3人のレンガ積み職人』の話から 

「仕事のやりがいとは何か」を考えさせられる有名な話をご紹介します。『3人のレンガ積み職人』という話で、もとはイソップ寓話と言われます。

3人のレンガ積み職人

中世のヨーロッパで、ある旅人が町はずれの工事現場で、レンガを積む作業をしている職人たちに出会いました。旅人が1人目の職人に「何をしているのですか?」と聞くと、「親方の命令でレンガを積んでいるんだ。辛い仕事でイヤになるよ」と答えました。

旅人は2人目の職人にも「何をしているのですか?」と同じ質問をしました。すると2人目は「レンガを積んで壁をつくっているんだ。大変だが、給料はいいからやっているんだ」と答えました。

旅人は3人目の職人にも「何をしているのですか?」と聞きました。すると3人目は「教会の大聖堂を作っているんだ。完成すれば、自分が死んだ後も、多くの人がここでミサや結婚式や葬式で祈りを捧げるだろう。多くの人の心の拠り所になる、こんな仕事に就けて、自分は幸せだ」と答えました。

3人のやっている仕事は同じですが、「志」が違います。1人目は言われるからやっているだけです。2人目はお金のために働いています。しかし3人目は、目的意識をもって仕事をすることで、大きなやりがいを感じています。3人目の職人のように、自分の仕事を捉えられると、どんな職業でも自分が楽しく働くことができ、結果として周囲に認められていきます。

山岸の仕事のやりがい

ここで、「仕事のやりがい」について、私自身の仕事について振り返ってみます。私の最初の仕事は、「農薬の開発」でした。この時は、「これまでより少ない量で、より安全に効果が発揮できる農薬を開発することで、農家がラクになり、世界の食糧問題に少しでも貢献できる」と考えていました。

診断機器の会社に勤めていた時には、「最先端の診断機器を導入することで、多くの人の病気を予防できる」ことをやりがいに感じていました。現在のキャリアコンサルタントの仕事では、「学生や社会人がキャリア形成を考えるヒントを与え、各自が納得する就職・転職を支援する」ことをやりがいに感じています。

学生の皆さんは、志望企業の業種、知名度、給与などに目が行きがちです。それだけではなく、その仕事のやりがいについても考えていくと、自分に合った仕事に出会う可能性が高まると思います。

例えば、「新しい製品を提供し、世の中を便利にする」「仕事を通じて、お客様を笑顔にする」「誰かの役に立つことを実感する」など、仕事にはさまざまなやりがいがあります。ぜひ時間をとって、「自分にとって、仕事のやりがいは、何か」を考えてみましょう。

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