就職・転職にお勧めの業界(2)IT系、ネット系業界①

IT系業界とは

IT系とは、広い意味で「情報サービス産業系の業界」を指します。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月)」によると、2022年の情報サービス業の売上は、前年比3.8%増の15.9兆円でした。2011年以降、業界売上が拡大しています。

既存システムの構築や更新、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)、新しいIT関連ビジネスの拡大など、成長性、将来性が高い業界です。システム構築、ソフトウェア開発、クラウド、サイバーセキュリティなどの領域を含みます。

ネット系業界とは

ネット系とは、広い意味で「電子商取引(EC)などインターネット関連ビジネスの業界」を指します。経済産業省の「電子商取引(EC)実態調査」によると、2021年の物販系ECの市場規模は、前年比8.6%増の13.3兆円でした。内訳は、食品・飲料、家電、衣類、生活雑貨、家具が大きい割合を占めています。

すべての商取引のうち、電子商取引による比率(EC率)は、現在9%程度です。今後とも、ECはさまざまな領域で増えていくと考えられます。ECだけではなく、SNSなどのネットサービス、アプリサービスなどの領域を含みます。

IT系、ネット系業界に求められる人材とは

「自分は文系だからIT企業には入れない」と考える人も多いですが、IT系企業はどこも人材不足なので、文系の学生や若者も、大歓迎の企業が多いです。プログラミングを学んだことがなくても、ゼロから研修してもらえます。食わず嫌いはせず、一度、「IT業界研究会」のようなイベントに参加してみることをお勧めします。

システムエンジニアに求められる能力の一つは、論理的思考力です。そのため、私はいつも「中学校の数学が苦手でなければ、エンジニア職も選択肢になるのでは?」と学生に話しています。中学の数学で、確率や順列・組合せを考える問題が、論理的思考力の基礎です。「サイコロを2回振って、合計8になる確率は?」とか「5人の人が並ぶ順番には何通りあるか?」といった問題です。これがキライでなければ、エンジニアの適性があるかもしれません。

IT系の資格には、ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、ITストラテジストなどがあります。文系出身者など、IT未経験の人は、IT全般の基礎知識が身に就くITパスポートを取得することがおススメです。ITパスポートは国家資格で、合格率は約50%です。

また、エンジニア職でなくても、営業や企画マーケティングなどの職種も多く募集しています。特に、新しいビジネスは狙い目です。Webマーケティング、ネット広告、データ分析、AI活用、ネットアプリ、動画配信、オンライン教育、eスポーツなどは、成長性が見込める面白い領域だと思います。

関連記事

  1. ポッドキャスト『2030年のキャリア戦略』第32回 仕事に必要な能力とは?:コンピテンシー(行動特性)が重要!(2023年9月7日配信)

  2. 新しい働き方(4)社会起業、NPO設立

  3. 面接のポイント(5)オンライン面接とグループディスカッション

  4. ポッドキャスト『2030年のキャリア戦略』第18回 世界の中の日本で働けるのは、実は素晴らしいこと!(2023年6月1日配信)

  5. ソフトテニスの将来を考える(1)バドミントンとの比較

  6. ワークライフバランス(WLB)と働き方改革(2)人口ボーナス期とオーナス期における働き方の違いとは?