少子高齢化の進展
日本人の平均寿命が延びると同時に、生まれる子どもの数が減ってきています。終戦後のベビーブームの「団塊の世代」(1947年~1950年頃生まれ)は、毎年260万人以上もいました。その子どもの「団塊ジュニア世代」(1971年~1975年頃生まれ)も毎年200万人前後でした。
しかし、現在の20代の若者世代は、120万人程度です。少子化は進み、2016年に生まれた赤ちゃんは100万人を切りました。そして2022年には80万人以下となりました。政府は少子化対策を打ち出していますが、急に効果がある訳ではありません。
下図は、総務省が発表している年齢別人口推計の推移です。黄色の15歳から64歳が「生産年齢人口」です。2060年に向けて、生産年齢人口が大幅に減少していくのがわかります。なお、これはOECDが世界で統計をとるための人口区分なので、先進国では15歳から20歳前後までは、まだ学生のことが多いでしょう。また、65歳以上で働いている人も多く、今後はさらに増えていくでしょう。
この図から、生産年齢の働き手は貴重なので、仕事はたくさんあるはずということが、よくわかります。
有効求人倍率の推移
一人の就職希望者(求職者)に対して、何件の仕事があるかを示す数字を「有効求人倍率」と言います。式で書くと、「有効求人倍率=企業からの求人の総数÷就職希望者数」です。つまり、有効求人倍率が1を超えると、仕事の方が求職者より多い「売り手市場」になります。
有効求人倍率は、基本的には景気の波と連動します。日本では、1990年頃のバブル経済の頃は、求人倍率が2を大きく超えていました。その後、2000年頃の超氷河期と言われた頃は、1を下回った年もありました。
しかし最近は、「団塊の世代」が70歳以上になって引退したため、それを埋めるための人材が多くの業界で求められています。コロナ禍の3年間は、観光・小売り・外食などの業界が採用を控えましたが、2023年以降は、慢性的な人手不足になり、求人倍率は再び2を超えるのではないかと言われています。特に、成長性のある業界を志望する若手人材にとって、とても良い雇用環境が続く見込みです。