仕事のモチベーション(動機付け)とは何か?

ここからは、仕事をする上でのモチベーションとはどんなものかを考えます。モチベーションとは、人が何かをする際のやる気の源になる動機付けや目的意識です。

マズローの欲求5段階説

 モチベーションに関する有名な理論として、アメリカの心理学者エブラハム・マズローが、1942年に発表した「欲求5段階説」があります。マズローによると、人の欲求は、低い次元のものから順に、5つの階層で示されます。

① 生理的欲求: 食べたい、飲みたい、眠りたいといった生物としてのヒトが根本的に持つ欲求です。

② 安全の欲求: 危険のない場所に住みたい、安心して休みたい、といった安全な環境を求める欲求です。

③ 所属と愛情の欲求: 家族や会社組織などに所属したい、そこで周囲の人から愛されたい、という欲求です。

④ 承認の欲求: 所属する集団で価値のある存在だと他者から認められたい、という欲求です。

⑤ 自己実現の欲求: 自分の能力を引上げたい、あるべき自分に近づきたい、という欲求です。

低い次元の欲求が、ある程度満たされると、高い段階の欲求に移行していきます。この中で、①生理的欲求から④承認の欲求までは、「欠乏欲求(不足すると困るもの)」と分類され、「無いものを外部から補おうとする欲求」です。⑤自己実現欲求は、「成長欲求」と言われます。成長欲求は、ヒトが自分の能力や可能性を発揮したいという欲求です。

従業員が高いモチベーションをもって働ける企業や組織は、③以上の欲求を満たしています。③では、従業員がその組織に居心地よく所属できていること、④では上司や同僚から認められていること、⑤では、仕事を通じて実現したい方向に進んでいること、が大切です。

衛生要因と動機付け要因

もう1つの有名なモチベーション理論です。アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグは、モチベーションの研究を通して、人の職務満足に影響を及ぼす2つの要因を見つけ、これを①衛生要因 ②動機付け要因 と名付けました。

衛生要因とは、不満足を規定するもので、具体的には会社の方針や職務環境、給料、地位、上司・同僚・部下との人間関係などが当てはまります。動機付け要因とは、成果や社内の知名度、仕事内容、責任、意義ある仕事を任される、個人的成長など、成長の実感が持てるものです。

つまりヒトは、衛生要因に対する不満をいくら少なくしても、満足感を上げることには繋がらず、不満足感を減少させる効果しかないのです。例えば、給与が上がったり、肩書きが上がったりしても、満足感が上がるのは一時的で、すぐに慣れてしまい長期的な効果は見込めません。真の意味で仕事の満足感を引き出すには、「動機付け要因」である個人の成長や自己実現に訴求する必要があります。

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